卒論・研究論文の印刷製本を考慮した原稿作成のポイント

卒論・研究論文の印刷製本を考慮した原稿作成のポイント

学生にとって、大学の修了過程の仕上げであり、研究者にとっては自らの研究成果を発表する論文。
論文を製本する際は、研究内容や努力を魅せられるようしっかりとした形に仕上げたいものです。

この記事では論文を印刷製本する際のデータ作り、製本の注意点についてご紹介します。

「余白」で論文の読みやすさと印象が決まる

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論文はテキストが主体のため、文字数、情報量が多くなります。
文字数の多い書物の場合は「余白」によって読みやすさと印象が決まります。

ここでは、論文に最適な「余白」について見ていきましょう。

表紙の余白は最低10mmは空ける

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表紙全体に文字が敷き詰められていたり、紙端ギリギリに文字が配置されていると「せわしなく読みづらい」「重く堅い読み物」という印象を与えてしまいます。余白で表紙全体のバランスを整えましょう。

表紙に文字を記入する際には、上下左右すべてに最低10mmの余白を空けておきましょう。
また、余白を空けることで、印刷製本時に上下左右の四隅が断裁される際の「文字切れ」防止にもなります。

本文の余白は15mm〜20mm程度は必要

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本文の余白は最低でも15mm程度、長文が続くようなら20mm以上空けるとよいでしょう。

論文では、本文が基本的にテキストで構成されるため、文字がぎっしりと詰まっていると「読みづらい、読むのに疲れる」印象を感じさせてしまいます。
Wordでは、ページの初期設定が余白20mmに設定されています。

また、ノド(ページの内側)は綴じられる分だけ、特にページが開きづらくなるので、多めに余白を取っておくとよいです。ページ数が50ページ以上になる場合は、20mm程度の余白を空けておくとページ内に余裕ができ、読みやすくなるでしょう。

背表紙に文字を入れる場合は背幅を考慮する

背表紙に文字を入れたい場合は、背幅は最低でも3mmあるのが条件です。

冊子の背幅は本文ページ数と用紙の厚みによって変わっていきますが、3mm以下の背幅の冊子の場合は背表紙に文字を入れてしまうと読みづらい印象を与えてしまいます。
背表紙が3mm未満の場合、入れる文字サイズもかなり小さくなり、読みづらいので、基本的には文字を入れないことをおすすめします。

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どうしても、文字を入れたい場合は余白を活用してページ数を増やすか、厚めの用紙を使用して、3mm以上の背幅が確保できるよう工夫するとよいでしょう。

文章の多い論文は「文字組み」にも注意

論文は、基本的に文章で構成されます。
文章の多い論文は、文字サイズや行間などの「文字組み」にも注意することで、読みやすさが変わってきます。

論文なら本文の文字サイズは10〜11ポイント

論文なら、本文の文字サイズは10ポイントもしくは10.5ポイントがおすすめです。
Wordの初期設定の10.5ポイントサイズのため、一般的にも見慣れているサイズです。大きくても本文の文字サイズは11ポイントまでに収めると読みやすい論文となるでしょう。

また、タイトルや見出しは、本文より2ポイント以上大きくしましょう。本文と区別がつきやすくなり、メリハリが生まれて読み手にわかりやすくなります。

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ディスプレイ上では読みやすい文字サイズであっても印刷してみると小さかったり大きすぎたりする場合があります。不安な場合は、プリントアウトして一度確認しておきましょう。

論文の行間は文字サイズの1.5〜1.75倍

文章の読みやすさは文字サイズだけでなく行間の文字サイズによっても変動します。
行間(行送り設定)は1.5倍〜2倍の間、文字サイズでは50%〜100%が最適です。

論文の場合、文字数が多いため、1.5倍〜1.75倍程度の行間がもっとも読みやすいのでおすすめです。
行間を広く取りすぎてもゆったりとした印象になってしまいますので、上記程度の行間にとどめておきましょう。

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文章量とのバランスを考えて、読みやすい行間を設定しましょう。

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ページ内に図を配置する場合の注意点

論文内に図を配置する場合は、図が小さすぎると印刷した際にきれいに再現できなかったり、図内の文字が小さくなりすぎて読めないといった不具合が起きてしまう可能性があります。

ここではページ内に図を配置する場合の注意点について見ていきます。

できるだけ印刷される大きさで図を作る

ページに図を入れる際には、できるだけ実際に印刷されるサイズで図を作り、拡大率100%で配置するのが望ましいです。

図を拡大するとその分、粗く再現されますし、逆に縮小すると、画素が潰れてしまい、繊細な部分がきれいに再現されなくなります。これは、図内に文字が入っている場合も同様です。

図内の文字サイズは、配置した状態で、最低でも6ポイント以上、できれば8ポイント以上のサイズに設定しましょう。
文字サイズが5ポイント以下になる場合は、文字がきれいに再現されず、印刷しても文字が読めないレベルになってしまいます。

図はPDF形式で保存し配置する

ページに配置する図は、PDF形式のファイルにした後に配置するとよいでしょう。

PDF形式は300dpiで保存するようにします。

JPGやTIFF形式より、PDF形式(300 dpi)の方が文字や線が鮮明に保存されるためおすすめです。
またファイルサイズも、小さくできますので扱いやすいのもメリットです。

入稿データはPDFでページ順がわかるように揃える

入稿データを送る際には、PDF形式でページ順に揃えた状態で入稿しましょう。

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複数のPDFファイルに分けて入稿する場合は、ページ順がわかるよう各ファイル名にページ番号を入れるとよいでしょう。
1ファイルに複数ページを入れる場合は、ページの漏れがないかページ順がおかしくないかを、PDFを開いて必ず確認しておきましょう。

現在、ネット印刷ではPDF入稿が推奨されており、一般的な入稿方法として定着されつつあります。
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まとめ

文字数、情報量が多くなる卒論・研究論文では、読み手の読みやすさを意識した冊子に仕上げる必要があります。
用紙サイズや文字サイズ、行間を最適なサイズに整え、空白を意識して紙面設計を行いましょう。

入稿形式は、PDFデータでの入稿がおすすめです。
論文を初めて印刷製本される方は、この記事を参考に読みやすい論文製本につなげてくださいね。
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冊子製本お役立ちコラム編集部

冊子の印刷製本を考えている方に、知っておきたい知識やお得な情報をお届けしています。はじめての方にもわかりやすく丁寧な記事を心がけています。 日々、お客様からのお問い合わせと注文対応に追われながら学ばせていただいています。

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